健康をテーマにブログを書いております。パーソナルリミットの中田です。
股関節とは?
股関節とは、骨盤と大腿骨を接続する関節で、球関節です。
股関節は、肩関節を除いて人体の中で最も可動性のある、自由に動かせる関節です。
肩関節とはことなり、股関節は骨格の構造上強く安定が保たれているので、脱臼や亜脱臼は比較的起こりにくい関節です。
股関節が痛いのはなぜ?
股関節が痛いのは、骨や軟骨が原因と思っている方が多いと思いますが、実際にはそのような例の方が
少ないようです。
変形性股関節症
代表的な疾患が変形性股関節症。
股関節の痛みを訴えて病院や整形外科を受診すると、中高年以降の方の場合、「変形性股関節症」といわれるケースは少なくありません。
その原因としては、「年のせい」とか「軟骨がすり減って骨と骨とがぶつかっている」といったことがあげられます。
変形性股関節症の有病率はおよそ1%~4%
変形性股関節症はどちらかというと女性に多く見られる疾患ですが、平均すると有病率は人口の1%~4%とされています。
ということは股関節痛のほとんどは、変形性股関節症以外の原因によってもたらされているというわけでもあります。
変形性股関節症の原因
変形性股関節症の原因は大きく分けて、何らかの基礎的な疾患があることと、退行変性の2つに分類されます。
変形性股関節症の原因となる基礎的な疾患としましては、臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼があげられており、
変形性股関節症を発症する原因のおよそ9割を占める。
退行変性とは、わかりやすく言うと老化に伴う骨の変形や軟骨のすり減りを意味します。
その他、体重の増加や外傷
などに起因して、変形性股関節症を発症するケースもあるとされています。
変形性股関節症の特徴
変形性股関節症の特徴としては、症状が進行するということがあげられます。
変形が始まったばかりの段階では、ほとんど自覚症状を訴えることはありません。
変形性股関節症が進行してくると、徐々に鼠径部や太ももの外側に痛みを訴えるようになり、
股関節の可動域が減少し始めます。
そのような状態が長く続くと、日常の動作にも支障をきたすようになり、
安静にしていても寝ていても痛みが生じるようになります。
やがて変形性股関節症の末期を迎えると、股関節が全く動かせなくなります。
股関節が痛い本当の原因とは?
骨と骨がぶつかっても痛みが生じない
はじめに知っておきたいのですが、骨と骨とがぶつかり合ったとしても、それが痛みにつながることは医学的にはあり得ません。
なぜなら、骨には痛覚がないからです。
もし骨に痛覚が存在するなら骨折をしたときにボルトなどで金属で固定できるわけがありません。
骨に痛覚がないことは、生理学の基礎中の基礎です。
もし股関節の検査をして骨と骨がぶつかっていると説明されたときには、医学的根拠がないことを知っておきましょう。
股関節痛の多くは筋肉や筋膜の緊張によって起こる
骨と骨とがぶつかっても痛みが生じることはないということでしたが、では、何が原因で
股関節の痛みが生じるのでしょうか。
その答えの一つが筋肉や筋膜の緊張です。
筋膜というと筋肉を覆う膜のようなイメージがありますが、実は、筋膜は血管や神経、骨、内臓などのすべての器官を覆っている膜のような存在です。
そして、すべての筋膜は有機的につながっています。
股関節に関して言うなら、太ももの筋膜の緊張や、膝周囲の筋膜の緊張、大腰筋の筋膜の緊張などが原因で股関節が引っ張られ、結果として股関節の痛みが生じるケースが少なくないのです。
腰痛や股関節痛の多くが原因不明とされるのは、骨や神経のみに注目されており、
筋肉や筋膜に注目することがないからだと言えます。
股関節の痛みを緩和する方法
股関節を温める
股関節の痛みを緩和したい場合、まずは温めることから始めてみましょう。
痛みがあると冷やすのがいいと思われる方もいらっしゃると思いますが、基本的に冷やしていいケースは炎症を伴っているケースになります。
温めることで痛みが緩和される場合は、その股関節痛は、筋肉や筋膜の緊張によるものと考えられます。
適度に体を動かす
動かしたときに激しい痛みが生じる場合を除き、適度に身体を動かすことも、股関節痛の緩和につながることがあります。
先ほど筋肉や筋膜の緊張によって股関節痛のリスクが増すと説明しましたが、筋肉や筋膜が固くなる原因は、「使い過ぎ」と「使わなすぎ」の2つしかありません。
股関節の柔軟性を高める
股関節の柔軟性を高めることも、股関節痛の緩和につながります。そもそも股関節が固いと、股関節周囲の筋肉や筋膜の緊張につながり、それが股関節痛を誘発するものです。
つまり、股関節が痛いから股関節周囲の筋肉や筋膜が硬くなるのではなく、そもそも股関節周囲の筋肉や筋膜が硬いから股関節の痛みにつながるというわけです。
マッサージを行う
ほとんどのケースで、股関節周囲の筋肉、筋膜に緊張がみられるものです。
その場合入浴後など体があったまっているタイミングでマッサージを行い筋肉を緩めてあげることも効果的です。
まとめ
変形性股関節症の有病率は1~4%でしたね。その多くは、筋肉、筋膜の緊張によるものが多いようです。
痛みに悩んでいる方。もちろん痛みと相談しながら無理のない範囲にはなりますが、ほぐしたり、動かしたりしながら、
動かしてみることも大切かもしれません。どうやって動かしたらいいか、その他不安がある方は、ぜひパーソナルトレーナーに頼ってください。